屋根修理にかかる期間はどれくらい?長引く原因も紹介
2024.09.06 お役立ち情報
屋根修理を検討する際、工事期間はどのくらいなのか把握できていない人は多いのではないでしょうか。屋根修理にかかる工事期間は工法や気候、現場の状況によって異なります。場合によっては相場よりも日数がかかることもあるため、気になる人は本記事をご覧ください。今回は、屋根修理にかかる期間や長引くケース、気をつけるべきポイントを解説します。
【工法別】屋根の修理にかかる日数
屋根修理にかかる期間は、葺き替えかカバー工法かで大きく変動します。ここで工法別の工事期間を見てみましょう。
葺き替え工事
葺き替え工事にかかる期間は、2週間程度です。作業内容ごとにかかる日数は以下をご覧ください。
作業内容 |
必要な日数 |
足場の設置 |
約1日 |
屋根材や下地、板金の撤去 |
約1日 |
野地板の設置 |
約2日 |
防水シートの設置 |
約1日 |
板金の取り付け |
約3日 |
屋根材の張り付け |
約3日 |
足場の撤去 |
約1日 |
葺き替え工事とは、既存の屋根と下地を撤去して新しく屋根をつくる工法のことです。新しい屋根にリフォームできるため見た目が美しくなるだけではなく、屋根自体の寿命がリセットされます。屋根から雨漏りしていても葺き替えすることで改善され、長期間快適に過ごせます。また、既存よりも軽い屋根材を選べば、建物の耐震性が高まるのも葺き替えならではのメリットです。
屋根カバー工事
屋根カバー工事にかかる期間は、7〜10日程度です。作業内容ごとにかかる日数は以下をご覧ください。
作業内容 |
必要な日数 |
足場の設置 |
約1日 |
資材の搬入・防水シート張り |
約1日 |
新しい板金の取り付け |
約1日 |
新しい屋根材の張り付け |
約2日 |
雨押さ・棟板金の取り付け |
約1日 |
仕上げ確認 |
約1日 |
足場の解体 |
約1日 |
屋根カバー工事とは、既存の屋根を残した状態で新しい屋根材を被せる工法のことです。既存の屋根を撤去せずに着手するので、撤去や処分の手間がかかりません。そのため、葺き替えよりも期間を短縮できます。
追加の工事で修理が長引くケース
屋根修理にかかる目安の期間をお伝えしましたが、追加工事が発生することで長引く場合があります。追加工事として発生する内容としては以下の通りです。
- 野地板の張り替え・メンテナンス……1〜2日
- 棟板金の交換……1〜2日
- 棟取り直し……1〜3日
追加工事が発生する理由を見ていきましょう。
野地板の張り替え・メンテナンス
屋根から雨漏りしている場合、下地である野地板が雨水によって腐食している可能性が高くなります。野地板の劣化を放置すると範囲が広がり、雨漏りがひどくなりかねません。野地板の劣化を改善するためには、野地板自体を張り替えてメンテナンスする必要があります。張り替えにかかる日数は1〜2日程度です。野地板の張り替えが必要となった場合は、基本的なスケジュールに1〜2日程度プラスでかかると考えておきましょう。
棟板金の交換
屋根の頂点にある棟板金という部分は、雨風や紫外線の影響を受けやすい部位です。棟板金は雨水の浸入を防ぐ重要な役割があります。損傷が大きいほど雨水が浸入しやすくなり、雨漏りが発生します。そのため、棟板金の劣化が進んでいる場合は交換せざるをおえません。交換にはあまり時間がかからないため、交換が必要となれば実施しておくとよいでしょう。
棟取り直し
棟取り直しとは、瓦屋根の頂点にある部位を修理することを指します。棟取り直しでは既存の泥や漆喰を除去し、新しい泥や漆喰を施工して瓦を固定します。棟板金同様、雨水の浸入を防ぐ役割があるため、棟取り直しは重要なことです。屋根修理のタイミングで一緒に行えば、スムーズに修理できるでしょう。
屋根修理の期間が長くなる原因
屋根修理は予定通りいかないものです。期間が長くなる原因としては、主に5つ挙げられます。
原因①悪天候
屋根修理は外作業のため、悪天候の際は工事が進みません。悪天候の中屋根面で作業すると、滑って転落したり手元がきれいに見えなくなったりするからです。資材を運んでも傷むだけのため、屋根修理に関する工事はできないと考えていてもよいでしょう。そのため必然的に期間は長引いてしまいます。とくに梅雨や台風シーズンは悪天候になりやすいため、期間をのばしたくない場合は避けるとよいでしょう。
原因②隣家との距離が近い
隣家との距離が近い場合は、工事期間が長くなる可能性があります。なぜなら屋根修理中に発生するホコリや破片、塗料などが隣家の屋根や外壁に付着しないように慎重に行う必要があるからです。隣家に迷惑がかかればクレームが発生し、工事を中断することになるかもしれません。隣家トラブルに発展しないためにも、長めにスケジュールを組んでおくとよいでしょう。
原因③屋根の形状が特殊
屋根の形状が特殊な場合も、工事期間が長引く原因です。部分的な修理であればそこまで期間に影響はありませんが、カバー工法や葺き替えとなれば屋根材の張り付け作業が伴います。屋根材を張り付ける面が特殊な形状をしていれば、搬入や加工などに時間がかかります。特殊な形状の一例としては、以下を参考にしてください。
- 屋根が急勾配
- 円形の屋根
- 出窓のついた屋根
屋根修理を依頼する前に、まずはリフォーム対象の屋根を確認しておきましょう。もし特殊な形状をしている場合は、その旨を業者に伝えておくとスムーズに現場調査や見積もりができます。
原因④屋根の下地の劣化が激しい
屋根の下地の劣化が激しい場合も、工事期間が長引く原因の一つです。下地が著しく劣化すると屋根に穴があいたり新しい屋根を張れなくなったりします。屋根修理の方法は主に3種類あり、部分修理・カバー工法・葺き替えがあります。部分修理やカバー工法であれば比較的短期間で工事が完了しますが、下地の劣化を直すとなると葺き替えになるでしょう。葺き替えは大掛かりな工事となるため、工事期間は長くなります。
原因⑤付近に駐車スペースがない
基本的に、工事関係車両は現場近くに停めます。しかし、駐車スペースがない場合は近場のコインパーキングを利用せざるをおえません。そうなれば現場との距離感が生まれ、資材の搬入などに時間がかかります。自宅付近に停めるよりも時間も手間もかかるため、工事期間が長引くでしょう。屋根修理を行う際は、駐車スペースを用意できるか確認しておいてください。
屋根を修理する際に気をつけるべきポイント
屋根を修理する際は、いくつか気をつけるべきポイントがあります。ここで押さえておきましょう。
ポイント①工事前に、近所の人に声をかける
まずは工事前に、きちんと近所の人に声をかけましょう。屋根修理を行うとなれば騒音や不快なニオイが発生するため、挨拶で知らせておかないと近所の人に迷惑がかかります。今後も良好なお付き合いを継続するためにも、挨拶をしっかり行いましょう。挨拶では工事の内容や期間などを伝えておくと、近所の人も対策しやすくなります。
ポイント②複数の業者から見積もりをとる
屋根修理にかかる費用は同じ内容であっても業者によって異なります。そのため、1社のみに見積もりを依頼するのではなく、費用相場を掴むためにも複数の業者から見積もりをとるのがおすすめです。ここで注意したいのが安すぎる業者です。費用を抑えたいがために安い業者を選ぶのも選択肢の一つですが、安いのにはそれなりの理由があります。手抜き工事だったり古い材料を使ったりする可能性があるため、費用だけではなく算出方法も確認しておきましょう。
ポイント③見積もりの内訳を確認する
見積もりをとる際は、内訳にも目を向けましょう。内訳には材料費や人件費、諸経費などが記載されています。総費用を見るのはもちろん、内訳が適正価格かどうかもチェックする必要があります。複数の見積もりを見比べてみて、内訳があまりにも違いすぎる場合は質問して不明点を解消することが大切です。業者によって見積もりの書き方は異なるため、内訳がわかりにくい場合は説明を促すようにしましょう。
ポイント④あらかじめ修理計画を立てる
屋根修理を行う際、安全確保のために足場が設置されます。この足場は外壁や窓、雨樋修理の際も使えるので、この機会に同時に修理してみてはいかがでしょうか。同時に修理すれば足場設置の手間や費用が1回分ですむのでお得です。もし外壁や雨樋などのメンテナンスを長く行っていない場合は、修理計画を立てるとよいでしょう。
ポイント⑤業者とのコミュニケーションは密に行う
屋根修理がはじまったら、業者と密にコミュニケーションをとるようにしましょう。密にコミュニケーションを行えば進捗状況を確認でき、トラブルも未然に防げます。業者によっては多少の雨であれば工事を進める場合もあるため、そのあたりも知りたい場合は連絡を取り合うようにしましょう。もし触ってほしくない物や気をつけて施工してほしい部分があれば、前もって伝えておくと安心です。
ポイント⑥補助金制度が使えないか確認する
屋根修理を行う際は、国や自治体が提供する補助金制度が使えないか確認しましょう。屋根修理に関する補助金制度は、各ホームページでチェックできます。補助金制度を活用すれば修理にかかる費用の一部を補助してもらえるため、費用軽減につながります。ただし屋根の修理内容によっては補助金制度を利用できない場合もあるため、事前に申請条件を確認してください。
それぞれの屋根のメンテナンス時期
屋根は修理して終わりではありません。屋根の寿命をのばすために、定期的なメンテナンスが必要です。メンテナンスのタイミングは屋根材によって異なるため、以下で確認しましょう。
屋根材の種類 |
メンテナンス時期 |
耐用年数 |
トタン |
3~5年 |
10~20年 |
スレート |
7~10年 |
15~25年 |
瓦(セメント系) |
10~15年 |
30~40年 |
瓦(粘土系) |
20~30年 |
50~100年 |
ガルバリウム鋼板 |
10~15年 |
20~30年 |
アスファルトシングル |
10~15年 |
20~30年 |
基本的に、耐用年数の半分を超える頃にメンテナンスするのが最適だとされています。耐用年数の短いトタンやスレートは、施工してから数年以内にメンテナンスが必要です。瓦屋根は素材によって強度が異なるため、メンテナンス時期も異なります。またガルバリウム鋼板は金属屋根の中でも強度が高く、メンテナンスフリーといわれていますが、まったく不要というわけではありません。強度は高くても汚れの付着やサビの発生は起こるものです。適切なタイミングでメンテナンスすれば寿命がのびるので、きちんと対応していきましょう。
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屋根修理にかかる期間は工法によって異なる
屋根修理にかかる期間は葺き替えとカバー工法で異なります。また気候や現場の状況によっても変動するため、目安よりも長引くことも少なくありません。工事期間が気になる場合は、依頼先の業者に確認してみましょう。
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