屋根修理の最適な時期と費用の目安を解説
2024.09.06 お役立ち情報
屋根の修理をしたいけれど、どの程度の修理が必要なのか?時期は?費用はどれくらい?とお悩みの方も多いでしょう。
屋根の劣化は、建物の寿命にも影響するため、早めの措置が必要です。劣化の状態によっては、屋根全体を交換するケースもありますので、日頃から定期点検やメンテナンスも大切になります。また、自宅の屋根材の耐用年数を知っておくと、修理やメンテナンスを依頼する時期について目安が付きやすくなります。
本記事では、屋根修理の最適な時期と費用の目安について解説します。
屋根の状態を確認する方法
屋根の修理が必要か確認するために劣化の状態を点検します。修理箇所が、自分で目が届かない範囲である場合は。専門業者に相談して点検してもらいましょう。
以下は、屋根の状態を点検する方法です。危険を伴う高所作業や障害物がある場合は、無理をしないで、安全な方法を選びましょう。
はしごに上って点検する
はしごに上って点検する際は、安全を確保するために、はしごの扱い方や作業する日の天候を確認します。
はしごで点検する際は、以下のポイントに注意しましょう。
- 屋根の勾配を確認する。勾配30度以上の屋根は危険なので専門業者に依頼する
- 雨が降りそうな日、雨が降っているときは、作業を控える
- 強風が吹いている日、台風が近づいているときは、作業を控える
- 屋根の周辺に障害物(樹木、電線など)がある場合は、専門業者に依頼する
- はしごに上がる前は、安全を確保できるように作業用の身支度を整える
- はしごを支えるために、二人一組で作業を行う
- はしごの傾斜は、75度くらいを目安に立てかける
ドローンを用いて点検する
ドローンの空撮で屋根の状態を点検します。高性能なカメラであれば、小さなひび割れも撮影可能です。また、高所作業が不要なので作業する人の安全性が保たれます。
ドローンで点検する際は、以下のポイントに注意しましょう。
- 屋根の周辺に障害物がないか確認してから始める
- 屋根全体を空撮して、修理箇所のあるポイントを見つける
- 国土交通省に飛行申請を行う
- ドローンの飛行禁止エリアについて事前確認する
- 道路使用許可や条例に関わる場合は申請が必要になる
伸縮棒を用いて点検する
スマホに伸縮棒を取り付けて撮影し点検します。修理箇所が断定できていて撮影できる範囲である場合に便利な方法です。
ただし、伸縮棒の長さが足りない、スマホでは鮮明に破損箇所を撮影できない場合は、他の方法、または業者に依頼して点検してもらいましょう。
自宅の屋根を修理するべきなのか見極める方法
屋根の点検が終わったら修理が必要な状態であるか判断します。
では、どのような点を見極めたらよいか、劣化の状態を知るためのチェックポイントを確認しましょう。
屋根の色あせやカビ
屋根は、紫外線や雨風によって塗膜が劣化して色あせてきます。日当たりの良い屋根は特に劣化の進行が早くなります。色あせをそのまま放置しておくと、ひび割れが生じやすく塗膜の劣化だけでなく、屋根材自体が壊れやすくなっています。
また、日当たりの悪い北側の屋根は、コケや藻が発生しやすくカビの原因になります。
森林や河川近くで日当たりの悪い屋根は、湿気が多いのでコケが繁殖しやすい環境にあります。カビの繁殖は、建物の劣化や居住者の健康被害に繋がり、全面葺き替えが必要になると修繕コストも高くなります。
屋根の錆び
金属製の屋根は、経年劣化や雨風などによって錆が発生しやすくなります。小範囲の錆でもそのままにしておくと、屋根に穴が開いたり、強風でめくれやすくなって飛来したりすることもあります。さらに、海に近い塩害エリアでは、錆の進行は早くなります。
錆の繁殖は、雨漏れの原因になり、さらに建物自体にも影響を与えることになります。
特に錆やすいトタン屋根は、錆止めのメンテナンスを定期的に行うようにしましょう。
チョーキング現象を確認したら塗膜劣化のサインなので、錆止めを塗ってメンテナンスを行いましょう。チョーキング現象とは、白い粉状が付着する状態です。
塗装の剥がれ
塗膜が劣化すると、塗料がめくれて屋根材がむき出し状態になります。コーティングしている塗料が剥がれてしまうと、屋根材の耐久性や防水性が低下します。また、剥がれた後にカビや藻が発生しやすくなります。
屋根の塗料の寿命は、アクリル塗料で5〜7年、シリコン塗料で10〜13年、フッ素塗料で15〜20年程度が目安です。製品の種類や周辺環境などによっても寿命が変わってきます。
塗装の種類を見極める際は、寿命を考慮して選ぶようにしましょう。
屋根材のひび割れや破損
屋根材の状態がひどく損傷している場合は、カバー工法で修繕工事を行います。もし、屋根材の内部まで劣化が進行している場合は、屋根の全面葺き替えが必要になります。
カバー工法とは、既存の屋根材の上から新しい屋根材を被せて施工する方法です。屋根材の下地に問題がない場合は、屋根材を外さなくてよいので工期短縮で修繕工事ができます。かかるコストも抑えられます。
一方、葺き替え工事は、既存の屋根を解体して新たに屋根材を設置する方法です。屋根材の下地まで劣化が進行している場合は、葺き替えをすることで、長期的に屋根の状態を維持できるメリットがあります。カバー工法よりもコストは高くなります。
屋根修理の時期を塗装・カバー工法・葺き替え別に解説
では、続いて、屋根の修理で行う工事「塗装、カバー工法、葺き替え」の時期について確認しましょう。
施工方法 |
修理の時期 |
塗装 |
8~10年 |
カバー工法 |
20〜50年 |
葺き替え |
20〜50年 |
屋根塗装の塗り替え時期
塗装の塗り替え時期は、8〜10年程度が目安です。詳しくは、前回に使用した塗料の耐用年数によって異なります。
屋根の塗料は、耐久性が高い種類は価格も高く、塗装の時期も長いスパンで計画できますが、価格が安いものは、それなりに耐久性も標準的で、塗装のタイミングも短めに計画するようになります。
カバー工法・葺き替えのリフォーム時期
カバー工法や葺き替えの場合は、使用している屋根材の耐用年数によってリフォーム時期が変わってきます。使用する屋根材によって異なりますが、およそ20〜50年程度です。また、それぞれの耐用年数は、日頃のメンテナンスや雨風や紫外線など自然の力の影響により、年数は前後します。
屋根材別の耐用年数とメンテナンス時期
屋根のメンテナンスは、使用している屋根材の耐用年数に合わせて対応しましょう。
ご自宅の屋根材の耐用年数を知ることで、メンテナンスや修理の計画を立てることができて、予算の準備がしやすくなります。
なお、築20年以上の建物の場合は、塗装よりも、屋根材を新しいものに替えた方が良いケースもあります。屋根材を取り替えると、下地となる防水シートや野地板などの状態も点検できて、劣化している場合は交換することもできます。
費用は気になりますが、とりあえずの屋根工事ではなく、長期的にメリットのある修理方法を業者に相談して判断しましょう。
屋根材 |
耐用年数 |
メンテナンス時期 |
トタン屋根 |
15年 |
10~15年 |
スレート屋根 |
20年 |
7~10年 |
セメント瓦 |
30年 |
10~15年 |
ガルバリウム鋼板 |
40年 |
20~30年 |
日本瓦 |
50年 |
15~30年 |
塗り替えに使用される塗料の耐用年数
塗り替えのタイミングは、使用している塗料の耐用年数に合わせて対応しましょう。
塗料の性能や耐久性の差によって耐用年数の長さが異なります。
塗料の種類 |
耐用年数 |
アクリル塗料 |
5~7年 |
ウレタン塗料 |
7~10年 |
シリコン塗料 |
10~13年 |
フッ素塗料 |
15~20年 |
無機塗料 |
20~25年 |
光触媒塗料 |
10~15年 |
断熱・遮熱塗料 |
15~20年 |
屋根材別の劣化の特徴
屋根材の種類によって劣化の特徴があります。屋根を点検する際に知っておくと、屋根の状態を確認するのに役立ちます。
瓦屋根
耐用年数が長く、耐久性に優れた屋根材です。粘土などの不燃材料で加工されているため、熱にも寒さにも 強く丈夫です。
瓦屋根の劣化の特徴について、以下のポイントを押さえておきましょう。
- 塗装の色褪せで塗膜が剥がれる
- チョーキング現象が起こる(白い粉が付着する)
- コケや藻が発生してカビが繁殖する
- ひび割れて破損する
- 瓦の位置がズレる
- 漆喰が変色・ひび割れが生じる
トタン屋根
従来では、一般的に最も需要のあった屋根材です。施工しやすく丈夫で安くできます。
屋根材の継ぎ目が少ないので雨漏れしにくく、軽量なため積雪にも強い材質です。
トタン屋根の劣化の特徴について、以下のポイントを押さえておきましょう。
- 錆びやすい
- 塗装の色褪せで塗膜が剥がれる
- 穴があいて雨漏りの原因になる
- 強風などで屋根材がめくれる
スレート屋根
セメントを材料とした平たい板状の屋根材です。施工がしやすく安価なため、新築建売住宅で多く使われています。
スレート屋根の劣化の特徴について、以下のポイントを押さえておきましょう。
- 屋根材の色褪せ
- チョーキング現象
- 欠けとひび割れ
- 屋根材がズレると落下のリスクがある
- 吸水性があり膨張する。乾燥する割れが発生する
ガルバリウム鋼板
アルミニウム、溶融亜鉛、シリコンで構成された屋根材です。金属製でも錆にくく耐久性に優れています。
ガルバリウム鋼板屋根の劣化の特徴について、以下のポイントを押さえておきましょう。
- 塗装の色褪せで塗膜が剥がれる
- チョーキング現象
- 白錆、赤錆が発生する
- 電蝕による腐食が発生する
アスファルトシングル
アスファルトにガラス繊維をコーティングして石粒を焼き付けた屋根材です。柔らかく軽い材質で防水性が高く錆びにくく割れにくい材質です。
アスファルトシングル屋根の劣化の特徴について、以下のポイントを押さえておきましょう。
- 塗装の色褪せで塗膜が剥がれる
- 屋根材がズレてはがれる
- 軽いので強風でめくれやすい
- 湿気に弱くカビや苔が生えやすい
屋根の修理を業者に依頼する際の注意点
では、続いて、屋根の修理を業者に依頼する場合、気を付けるポイントを解説します。
施工期間、耐用年数、修理方法、業者の選び方、依頼の時期などを、事前に確認しましょう。
注意点①施工が終了するまで時間がかかる
屋根の修理を依頼する際は、はじめに業者を複数選んで見積り依頼をして、そこから
1社に決めてから工事着工から完了まで、およそ1か月程度で計画を立てましょう。
屋根の修理が緊急を要しても、一定の期間が必要になるため、慌てた状態にならないように、日頃から点検を心がけましょう。
注意点②塗料の耐用年数を確認する
屋根に使用している塗料の耐用年数を調べておきましょう。耐用年数を知ることで、修理のタイミングを判断することができます。
ただし、耐用年数はあくまでも目安であるため、塗料のグレード、屋根材と塗料との相性、施工方法、自然環境などから、年数は変わります。
注意点③適切な修理方法を選ぶ
屋根の修理方法は、塗装のみ、カバー工法、葺き替えなど、屋根の状態を点検して適切な修理方法を選びましょう。
屋根の状態は、表面だけではわからない場合もあり、下地まで劣化し、さらに建物まで劣化が進行しているなど、状態を正しく点検する必要があります。したがって、専門のプロに依頼して適切な判断をしてもらいましょう。
注意点④屋根材によって依頼できる業者が違う
屋根の修理業者は、特定の屋根材を専門としたところもあるため、自宅の屋根材を扱っている業者を選ぶようにしましょう。瓦専門業者、主にスレート屋根を専門とする業者、スレート屋根も取り扱うが金属屋根が主としている業者など、各社、特徴があるため、事前に問い合わせて詳しく確認しましょう。
注意点⑤業者に依頼するときは時期を考える
屋根工事業者の繁忙期は、春(4月〜5月)と秋(10月〜11月)です。修理を急がない場合は、繁忙期を避けて依頼した方が余裕をもって対応してもらうことができます。
葺き替え工事の場合は、天候に大きく左右されるため、雨風の強い時期は避けるようにしましょう。
天候の悪い時期に工事を行うと、工期が伸びて施工費が高くなってしまう場合もあります。
注意点⑥実績のある修理業者に依頼する
初めて工事を依頼する際の判断材料として、実績や経験のある業者を選びましょう。
同じような施工事例や利用者の声がわかると安心です。業者のホームページを見て施工事例を確認してみましょう。
屋根修理を依頼するのに適した季節
屋根修理は年間を通して依頼可能ですが、工事がしやすい時期としては、夏が終わって晴れの日が多い9月下旬〜11月初旬にかけておすすめです。
屋根修理に使用する塗料や資材の取り扱いは、天候によって湿気や乾燥に左右されるため、秋ごろが時期として適しています。
また、地域性によっても異なり、北海道や東北では、積雪による影響が大きいため、環境に適したタイミングで修理を依頼しましょう。
梅雨と台風の時期、高温の8、9月は、作業効率が低いため避けた方が良いでしょう。
屋根の劣化が進行する前に早めの修理を行いましょう
屋根の状態は、経年劣化や自然災害などによって修理が必要なタイミングがあります。屋根材には耐用年数があり、修理やメンテナンスをする際の目安になります。
屋根の劣化は、材質の特徴を知って定期的にメンテナンスを行って早めに修理を依頼した方が、長期的に屋根の保護を維持することができます。
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