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カバー工法とは?工事が必要なケースについても解説

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カバー工法とは?工事が必要なケースについても解説

カバー工法とは?工事が必要なケースについても解説 |

屋根の修理方法の一つ、カバー工法を知っていますでしょうか。工期が短くてすむ、費用を抑えられるなど、さまざまなメリットがある修理方法です。

今回は、カバー工法の概要とメリット・デメリットを解説します。施工手順も紹介するので、基本的な知識を身につけましょう。

カバー工法とは?

カバー工法とは、既存の屋根を残した状態で新しい防水シートと屋根材を被せる工法のことです。玄関ドアや窓でも用いられています。主にフラットな屋根に採用される工法で、下地が著しく劣化していないケースに選ばれています。

カバー工法が必要なケース

カバー工法はどのような屋根にも施工できるわけではありません。では、カバー工法が必要なケースはどのようなときでしょうか。主なケースは3つです。

屋根の欠け・割れ・ずれが発生している

雨風や紫外線の影響で屋根が欠けたり割れたりズレたりしてしまったケースでは、屋根の重ね張りが必要になります。被害に遭った範囲が小さい場合は部分修理でも解決しますが、広範囲な場合はカバー工法で対処するほうが手間はかかりません。ただし、下地がひどく傷んでいる場合は下地自体の交換が必要のため、屋根の葺き替え工事がおすすめです。

コケやカビが発生している

屋根材にコケやカビが発生しているケースも、カバー工法が最適です。高圧洗浄機などで汚れを除去した後に屋根材を被せれば、繁殖や腐食を防げます。下地まで繁殖していない場合は葺き替えよりもカバー工法を検討するとよいでしょう。

棟板金の釘が浮いている

屋根の頂点に取り付けられている棟板金の釘が浮いているケースも、カバー工法がおすすめです。棟板金は雨風や紫外線の影響で釘が浮きやすくなるため、しっかり固定し直す必要があります。なぜなら、棟板金は雨水の浸入を防ぐ役割があるからです。放置すると雨漏りに発展する可能性が高まるため、棟板金を交換するあるいはカバー工法で修理しましょう。

カバー工法の手順

カバー工法の手順をあらかじめ知っておくと、依頼時や工事時の理解や進捗状況を把握しやすくなります。施工の手順は以下の通りです。

  1. 手順①棟板金と貫板を撤去する
  2. 手順②防水紙を設置する
  3. 手順③新しい屋根材を葺く
  4. 手順④棟板金と貫板を設置する
  5. 手順⑤棟板金にコーキング処理を施す

各手順の内容を解説します。

手順①棟板金と貫板を撤去する

はじめに、棟板金と貫板を撤去しましょう。新しい防水紙と屋根材を張り付けるためには、きれいに棟板金と貫板を撤去しなければなりません。撤去したものは再利用しないため、そのまま処分しましょう。

手順②防水紙を設置する

きれいに撤去できたら、防水紙を設置します。防水紙は雨水の浸入を防ぐ重要な下地です。既存の屋根下にも敷かれていますが、新しく被せる屋根の下にも敷くことで雨漏りの予防に役立ちます。

手順③新しい屋根材を葺く

防水紙を敷いたら、新しい屋根材を張り付けていきます。張り付ける際は、軒先側から固定していくのが基本です。

手順④棟板金と貫板を設置する

屋根材を張り付けられたら、棟板金と貫板を設置します。これらの部品は新しい屋根材に合わせて、適切な素材を取り付けるのがポイントです。一昔前まで棟板金や貫板は亜鉛鋼板が主流でしたが、現在は耐久性の高いガルバリウム鋼板が採用されています。

手順⑤棟板金にコーキング処理を施す

棟板金同士の間にある隙間を埋めるために、最後はコーキング処理を施します。隙間をそのままにしておくと雨水が浸入してしまいかねません。しっかりコーキング処理をし、乾かしたら完了です。

カバー工法のメリット

ここでは、カバー工法のメリットを4つ解説します。

メリット①工事期間が短く済む

屋根の大きさや劣化具合によって必要日数は異なりますが、葺き替えよりも短期間で済むのが大きなメリットです。大掛かりな工事を必要としないため、天候に左右されなければ1週間程度で完了します。工事期間を少しでも短くしたいと考えている場合に、カバー工法はおすすめです。

メリット②費用を抑えられる

葺き替えよりも費用を抑えられるのも利点の一つです。カバー工法では屋根の撤去作業を行わないため、撤去費用や廃材処分費用などが発生しません。工事期間を短縮できるだけではなく人件費も削減できるため、リーズナブルに屋根修理ができます。

メリット③防音性・耐熱性が高まる

カバー工法を行うと屋根が二重になり、屋根と屋根の間に空気層が生まれます。すると防音性や耐熱性が高まり、快適性が向上します。たとえば現状トタン屋根の場合は、雨音がうるさかったり夏は暑かったりするでしょう。カバー工法を行えば雨音が聞こえにくくなって夏場も室温の上昇を抑えられます。

メリット④アスベストがほとんど飛散しない

カバー工法では屋根の撤去や処分が行われないので、アスベストが含まれている屋根材であっても飛散するリスクがあまりありません。そのため、カバー工法はアスベスト対策にもつながります。ただし、アスベストの問題を後回しにすることになるため、きちんと対策を考えておくと安心です。

カバー工法のデメリット

次にカバー工法のデメリットを3つ解説します。

デメリット①屋根が重くなる

カバー工法の大きなデメリットは、屋根が重くなることです。カバー工法を行うと屋根が二重になるため、必然的に屋根が重くなります。屋根が重くなれば建物全体の重量もかさみ、耐震性も低くなります。なるべく重量を増やさないようにするためには、ガルバリウム鋼板のような軽量な屋根材を使用するのがおすすめです。

デメリット②カバー工法できる屋根材が限られる

カバー工法はどんな屋根にも施工できるわけではありません。屋根材の種類によって施工できないだけではなく、下地の劣化具合によってはカバー工法しても効果が得られない場合があります。後ほどカバー工法ができない屋根について解説しているため、ぜひチェックしてください。

デメリット③火災保険が使えない場合がある

台風など自然災害によって屋根が損傷した際、リフォーム方法としてカバー工法を選択すると、火災保険が使えない場合があります。なぜなら火災保険の利用条件に「被害に遭う前の状態に戻すこと」があるからです。カバー工法はあくまでも、見た目の改善と寿命を多少ののばすための修理方法にすぎません。火災保険の利用を考えている場合は、葺き替えを検討するのが無難です。

カバー工法に適した屋根材

カバー工法を行う際は、選ぶ屋根材にも気を遣う必要があります。屋根材によってカバー工法に合う合わないがあるため、長持ちする屋根材を選びましょう。ここでは、おすすめの屋根材を3つ紹介します。

ガルバリウム鋼板製

カバー工法では、多くのケースでガルバリウム鋼板が使用されています。ガルバリウム鋼板は金属屋根の一種で、軽量なのが特徴です。そのため上から被せても建物への負担が少なく、耐震性に影響がありません。またサビにくい強みもあるため、海の近くの屋根にも使用できます。

ジンカリウム石粒吹付け屋根材

ジンカリウム石粒吹付け屋根材もカバー工法におすすめです。金属屋根特有の軽量さと耐久性を持ち合わせているため、長持ちします。表面に天然石粒が吹き付けられていることで、高級感やぬくもりが感じられ、他とは違う雰囲気に屋根に仕上がります。

アスファルトシングル

カバー工法を行う際は、アスファルトシングルを使用するのも最適です。割れや腐食に強いためコストパフォーマンスにも優れており、安心して長く使用できます。施工がしやすいのも特徴の一つで、費用を抑えつつ短期間で工事を終えたいケースにおすすめです。

カバー工法ができない屋根材

カバー工法はどんな屋根材にも採用できる工法に思えますが、不向きなケースもあります。ここでは、不向きな屋根材を3つ紹介します。

瓦屋根

現状が瓦屋根の場合は、カバー工法ができません。カバー工法では防水シートや屋根材を上から被せるため、下地となる屋根面はフラットである必要があります。瓦屋根は凸凹した屋根材のため、重ねるのには向いていません。また、瓦自体の重量が重いため、上から屋根材を被せると耐震性が低下します。

傷んでいるトタン屋根

カバー工法は、トタン屋根のような金属屋根への施工は可能です。しかし、損傷が激しい場合はカバー工法をしても意味がありません。劣化している箇所を隠すことになるため、下で腐食が進みます。傷みすぎていれば釘やビスも固定できず、施工しても長持ちしないでしょう。

劣化が進んでいるコロニアル

劣化が進んでいるコロニアルもカバー工法での修理に適していない屋根材です。傷んでいるトタン屋根と同様に、屋根を重ねても症状は改善されません。ひどく劣化しているのであれば、葺き替えによる修理が最適です。コロニアルの劣化が軽度であればカバー工法ができる場合があるため、まずは業者に確認してみるとよいでしょう。

日々のメンテナンスについて

屋根をカバー工法した後も、日々のメンテナンスは欠かせません。メンテナンスを怠れば、せっかく修理しても長持ちしないものです。メンテナンスフリーといわれているガルバリウム鋼板でも、定期的にメンテナンスを実施しましょう。ただし、使用する屋根材によってメンテナンス方法は変わるので、業者に正しいメンテナンス方法を聞いておくと安心です。メンテナンスを少しでも楽にしたい旨を業者に伝えれば、希望に合わせて屋根材を提案してくれる場合もあるため、積極的に伝えるようにしましょう。

カバー工法に適した屋根材を選ぼう

屋根の下地が著しく劣化していない場合は、カバー工法による修理が可能です。カバー工法であれば工事期間を短くできたり費用を抑えられたりします。屋根自体の耐用年数をまだ迎えていない場合は、カバー工法を検討してみましょう。

群馬で屋根のカバー方法をしたいと考えている人は、ぜひミヤケンにご相談ください。ミヤケンは屋根リフォームの施工実績が豊富な専門業者です。工事手順の解説やカバー工法に適した屋根材も提案させていただきますので、はじめてのリフォームでもご安心ください。

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