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陶器瓦の種類とメリット・デメリットやメンテナンス目安について |株式会社ミヤケン|

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陶器瓦の種類とメリット・デメリットやメンテナンス目安について

陶器瓦は粘土瓦の内の一つで、粘土を圧縮形成したものです。
瓦の表面に釉薬(うわぐすり)を使用して、1000~1250度の高温の窯で焼き上げて作られています。
この釉薬(うわぐすり)によるツヤや撥水(はっすい)性を持った瓦で、釉薬瓦(うわぐすりかわら)とも呼ばれます。
今回は、そんな陶器瓦の種類やメリット・デメリット、さらにメンテナンス目安についてご紹介します。
陶器瓦

■陶器瓦の種類

陶器瓦には三つの形があります。
性能は形によって変わらないので、建物のデザインによって合うものを選びましょう。

●和形

瓦屋根を想像した時に多くの人が思い浮かべる波型の瓦がこの和形です。昔からの日本家屋に合う、日本では最もスタンダードな瓦だと言えます。
重厚な印象で、建物に高級感を与えてくれます。また、和形の他に【J型】とも呼ばれています。
和瓦

●平瓦

和形の波型をなくして、平らに成型したものを平瓦と呼びます。現代社会では和風、洋風のお家に幅広く使用されています。
平瓦は、元々フランスから輸入されたフランス瓦を見本に作られたもので、フランス瓦やF型とも呼ばれています。
平瓦

●洋瓦

和形に比べると山部分が丸く盛り上がっていて、先細りの形状になっているのが洋瓦です。
地中海沿岸の建物の屋根瓦に似た形状をしているため、主に洋風の見た目の建物に使用されます。
洋瓦はスペインから輸入されたスペイン瓦を見本に作られたものなので、スペイン瓦やS型とも呼ばれます。
洋瓦

■陶器瓦のメリット

では陶器瓦は寿命が長く、メンテナンスが簡単で色などのバリエーションも豊富です。これら3つの特徴について詳しく見てみましょう。

①寿命が長い

陶器瓦は耐候性や耐水性、耐久性に優れ、その寿命は50年以上で半永久的とも言われます。
強い衝撃がなければ破損、変形などもしないため、建て替えるまで一度も屋根の葺き替えをしない家も存在します。
寿命が長いことで家をメンテナンスするコストが抑えられます。
寿命が長い瓦屋根

②メンテナンスが簡単

表面に釉薬を使っているため撥水性があり、塗装などの定期的なメンテナンスは不要です。
見た目も陶器特有のツヤが長持ちし、美しい状態を長く保つことができます。
また、瓦が割れたりヒビが入った場合は、部分的に交換が可能です。メンテナンスが簡単なのは、手間やコスト面で優れています。

③色やツヤのバリエーションが豊富

釉薬によって様々な色やツヤを表現することができ、50色以上を表現している瓦製造会社もあります。
建物のに合わせて色を選べるので、イメージ通りの外観を実現することができます。
釉薬瓦

■陶器瓦のデメリット

陶器瓦にはデメリットもあります。
メンテナンスが不要な陶器瓦ですがデメリットもあります。見ていきましょう。

①重量がある

屋根材の中でもほかの屋根材に比べ重量があり、耐震性が低くなる傾向にあります。
この重量が耐震性に関わってしまいます。
瓦屋根を使用している建物であれば、その重量は計算されているため耐震性に問題はありませんが、スレートなどの軽量な屋根材から瓦屋根に変更する場合は耐震性を確認する必要があります。
瓦落ちる

②コストが高い

ほかの屋根材に比べ、屋根材1枚の金額が高いということと、屋根全体を工事するとなると一枚一枚手作業で取り外し・取り付けを行いますので職人の手間代がかかります。
さらに近年、熟練した職人の不足もありもしもの時に工事を依頼できる屋根屋さんが少ないといったことも挙げられます。
瓦の金額が高い イラスト 

■陶器瓦のメンテナンス目安

陶器瓦がメンテナンス不要と言われていても全くメンテナスをしなくても良いとは限りません。
ここからは陶器瓦の劣化症状とそのメンテナンスの目安・施工方法をご紹介します。

●ひび割れ・ズレ
地震の揺れや外部からの何らかの衝撃で、瓦にひび割れが出来たりズレてしまうことがあります。
ズレたまま放置すると、屋根の内部に雨水が入り込んで、雨漏りや内部の建材の劣化が進んでしまいます。
さらに、鳥が隙間に入り込んで巣を作ってしまう可能性もあります。雨漏りなどを防止するために、早急に対処することが大切です。
瓦のズレが一部であれば瓦の固定で処置を行います。また、瓦自体が割れている場合は瓦の交換が必要になります。
もし台風の後にこのような不具合が発生した場合は、火災保険での対応が可能ですので業者や保険会社に相談しましょう。
また、隙間を埋めている漆喰は劣化してきますので、陶器瓦だからといって屋根を放置せずに定期的な点検を行うようにしましょう。
瓦のズレ

●漆喰の欠け・棟瓦のズレ
瓦屋根の頂点や四方には棟瓦が施工されています。この棟瓦を固定しているのが【漆喰】です。
大きな地震の影響や、漆喰の経年劣化で棟瓦がズレたりゆがんでしまう事があります。この場合、漆喰の補修だけでなく、棟瓦の組みなおし作業が必要です。
また、ズレやゆがみを放置してしまうと落下する危険性がありますので、「何か変だな?」と思った時や、地震が起きたときにはすぐに見てもらい補修工事を行いましょう。
漆喰

今回は、陶器瓦の種類や特徴についてご紹介しました。
釉薬を使用した陶器瓦は耐候性、撥水性、耐久性にすぐれ、長期間美しい外観を保つことができるため、メンテナンス不要の優れた屋根材です。
また、デザイン面でも形が3種類、バリエーション―ション豊かな色やツヤが展開されていて、建物のイメージに合わせて選ぶことができます。
重量があり、葺き替えのコストがかかる悪いイメージもありますが、重量を計算に入れて耐震性を考慮すれば問題ありませんし、コスト面でもメンテナンス不要であることでランニングコストが抑えられます。
陶器瓦はメンテナンス不要でも、瓦のズレや漆喰の劣化などの可能性もありますので、瓦の定期的な点検は欠かさないようにしましょう。

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