瓦屋根の修理にかかる費用とは?修理時期とともに解説
2024.06.24 お役立ち情報
自宅の瓦屋根に劣化したり割れやヒビが見られたら、修理を検討しましょう。悪化する前に修理することで、費用を抑えつつ美観を保てます。しかし、瓦屋根の修理にかかる費用や修理方法について把握できていない人も多いのではないでしょうか。
本記事では、瓦屋根の修理にかかる費用相場と安く抑えるコツについて解説します。修理が必要になる劣化状態や瓦屋根の修理方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
瓦屋根の修理にかかる費用の相場とは
瓦屋根の修理にかかる費用は、修理範囲や修理方法によって異なります。ここでは、全体的な修理と部分的な修理に分けて費用相場を紹介するので、ぜひチェックしてください。
全体的な修理
瓦屋根を全体的に修理する場合は、葺き替えがおすすめです。葺き替えの費用は、屋根の大きさや新しい屋根材によって変動します。瓦屋根全体を修理する場合の費用相場は、下記表を参考にしてください。
修理内容 |
費用相場 |
瓦の交換 |
約90〜250万円 |
瓦からスレート |
約70〜200万円 |
瓦からガルバリウム鋼板 |
約80〜200万円 |
部分的な修理
瓦屋根の劣化や損傷の箇所が限られている場合は、部分的な修理で改善されるかもしれません。部分的な修理であれば費用を抑えられるので、取り組みやすいリフォームといえます。部位によって修理費用は異なるため、下記表にまとめました。
修理内容 |
費用相場 |
漆喰の補修 |
約3,500~5,000円 / m |
部分葺き替え |
約16,000~19,000円 / ㎡ |
雨樋の修理・交換 |
約6,000~10,000円 / m |
棟瓦・棟板金の交換 |
約5,000~17,000円 / m |
瓦屋根の修理費を安く抑えるコツ
瓦屋根の修理費用は決して安いとはいえません。修理内容によっては数十万かかるため、少しでも費用を抑えたいと考える方もいるでしょう。ここでは、瓦屋根の修理費用を安くするコツについて解説します。
①相見積もりをとる
瓦屋根の修理費用が相場内の業者に依頼するなら、複数の業者から見積もりをとる「相見積もり」の活用がおすすめです。相見積もりをとると、複数の修理プランを聞けるだけではなく、価格比較ができます。業者によって最適だと思う修理内容は異なるため、まずは実施したい修理内容を決めましょう。見積もり内容を統一すれば、価格比較がしやすくなります。
また、相見積もりは業者を信頼できるかどうかの見極める機会でもあります。見積もり内容を丁寧に説明してくれるか、相場内の提示費用か、アフターフォローはしっかりしているかなど、気になることは見積もり時に聞いてみましょう。
②補助金の対象になるか調べる
国や自治体が提供する、屋根リフォームに関する補助金制度を利用できないか調べてみましょう。制度によって条件は異なりますが、耐震性や断熱性、省エネの向上を目的とする屋根リフォームは対象になりやすい傾向にあります。
ほとんどの場合は、補助金の申請は着工前に行わないと審査対象にならないため、利用時は注意しましょう。諸事情で国の補助金制度が利用できない場合でも、お住まいの自治体が独自に実施している制度は利用できる場合があります。
詳しくは、各補助金の公式サイトや自治体のホームページをチェックしてみましょう。
③火災保険の補償対象になるか調べる
瓦屋根の修理を検討する際は、火災保険の補填対象になるか調べてみましょう。加入している火災保険によっては、条件次第で保険金が下りるかもしれません。
前提に、火災保険は自然災害による被害を受けたときに利用できる保険であることを押さえておきましょう。基本的な利用条件は次の通りです。
- 自然災害(風災・雪災・雹災)による被害であること
- 自然災害による被害に遭ってから3年以内の申請であること
- 屋根修理の費用が総額20万円以上であること
他にも、台風や落雷による損傷も火災保険の契約内容によっては適用される場合があります。
関連記事:屋根の修理は火災保険の対象になる?条件とともに解説
瓦屋根の修理が必要な状態は?
瓦屋根の修理が必要なタイミングを見逃さないようにするためにも、状態を把握することが欠かせません。ここでは、瓦屋根の修理が必要な状態を5つ紹介します。
瓦に割れやヒビがある
瓦屋根に割れやヒビが生じたら、修理のタイミングです。軽度の損傷や変色であれば、部分補修や塗装できれいに直せます。瓦がズレている場合も同様に、早めに修理することをおすすめします。
割れやヒビ、ズレを放置すると、隙間から雨水や小動物が侵入して大変です。屋根修理の他に、雨漏り修理や害虫駆除も必要になるため費用がかさみます。早めに修理すれば、余計に出費することもありません。
漆喰がはがれている
瓦屋根の棟に塗られた漆喰が剥がれているのも、早めに修理したほうがよい状態です。漆喰が剥がれると、内部の土が流れて棟の歪みや損傷を招く恐れがあります。雨水が浸入しやすい状態にもあるため、決して放置してはいけません。
屋根の頂点部分に設置された棟板金は、最も雨漏りしやすい部位です。漆喰は棟や瓦を固定すると同時に、雨風や紫外線から保護する役割も担っています。瓦がズレ始めると広がっていくため、早めに対処して美観を維持しましょう。
防水シートが劣化している
瓦屋根の下に設置されている防水シートにまで雨水が浸水すると、劣化が急激に進みます。そのまま放置すると、防水シートを伝って建物内部で雨漏りしかねません。屋根裏の木材が変色していたり瓦の裏側が濡れていたりすれば、防水シートが劣化している可能性は高いと考えられます。チェックしにくく部分のため、業者に点検を依頼しましょう。
瓦自体が劣化している
瓦屋根にも耐用年数の目安があります。丁寧に扱っていても常に雨風や紫外線に晒されているため、瓦自体の劣化は免れません。劣化が進むと品質や耐久性が落ちてしまうため、より一層ヒビや割れ、漆喰の剥がれが目立ちやすくなります。寿命を超えると元に戻すことは難しくなるため、葺き替えで一新するのがおすすめです。
瓦屋根の工法が古い
自宅の瓦屋根の工法が古い場合も、修理が必要な状態です。瓦屋根の工法は昔と今で異なります。一昔前までは土葺き工法と呼ばれる、葺き土を敷いてから瓦を施工していました。昔の瓦はねじれている形状が多く、そのまま置けばガタついてしまったからです。
今の瓦は形がきれいに整っているため、木材や釘、フックなどで固定できるようになっています。
新しい工法で瓦屋根を施工すれば、見栄えがよくなるだけではなく、屋根全体の重さが軽減されて耐震性のアップが期待できます。瓦同士をしっかり固定できるようになるため、突然屋根から瓦が落ちてくるという被害も改善されるでしょう。
瓦屋根のメンテナンス時期は?
瓦屋根のメンテナンス時期は、瓦の種類によって異なります。主に3種類あるため、それぞれの耐用年数とメンテナンス時期は下記表を参考にしてください。
屋根の種類 耐用年数 メンテナンス時期
陶器瓦 約50年 約35〜45年
いぶし瓦 約40年 約30〜40年
セメント瓦 約35年 約25〜35年
基本的に瓦屋根は他の屋根材と比べると、耐久性が高いのが特徴です。屋根内部に通気層があることで下地に使われる野地板も通気しやすく、湿気による結露が起きにくくなっています。
結露の溶け水は、防水機能を持つルーフィングや野地板を劣化させる原因の一つです。これらの理由から、通気経路をしっかり確保できている瓦屋根は耐久性が高い屋根材とされています。
関連記事:金属屋根のメンテナンス時期と方法とは
瓦屋根の修理方法とは?
瓦屋根の修理方法は主に4つです。劣化状況によって最適な修理方法は異なるため、ここでは4つの修理方法について解説します。瓦屋根の修理・リフォームが初めての方は、どのような修理方法があるのか知りましょう。
葺き替え
葺き替えは、既存の屋根材を撤去してから新しい屋根材を張る施工方法です。下地である野地板や防水シートも一緒に撤去するため、屋根全体を新しくできます。屋根が一新すれば耐用年数もリセットされ、雨漏りが再発する心配がないのが魅力です。
一見シンプルな工程に思えますが、瓦は他の屋根材と比べて重いため、撤去や処分にかなりの労力を必要とします。そのため、人件費を上乗せするケースも少なくありません。
葺き替えでは、瓦以外の屋根材にも変えられるので、スレートやガルバリウム鋼板なども検討してみましょう。瓦と似たデザインのガルバリウム鋼板瓦にすると、屋根の重量が軽くなって建物への負担が軽減されます。
葺きなおし
葺きなおしは、既存の屋根材を一度取り外し、野地板の補修や防水シートの交換を行ってから、再度既存の屋根材を設置する施工方法です。屋根下に設置する防水シートは、瓦よりも早く寿命を迎えます。防水シートを張り替えるには一度瓦を取り外す必要があります。そんなときに採用されるのが葺きなおしです。
葺き替えだと処分費や新しい屋根材費がかかって高額になりますが、葺きなおしであれば費用を抑えて修理できます。既存の瓦がきれいな状態であれば比較的施工できる方法なので、費用を抑えたい場合や見た目を変えずに修理したい場合におすすめです。
カバー工法
カバー工法は、既存の屋根材を残した状態で、上から新しい屋根材を被せる施工方法です。屋根が二重になることで防音性や断熱性が高まり、暮らしの快適性が上がります。葺き替えや葺きなおしと比べると、工期が短く騒音やホコリの問題も軽減できるため、採用しやすい修理方法です。
ただし、カバー工法をすると今よりも屋根の重量が増えるため注意しなければなりません。屋根だけではなく、建物全体の状態によっては採用できないケースもあります。瓦屋根は特にそうで、さらに重くなると建物の存続が危うくなることから、ほとんどの業者は瓦屋根にカバー工法を推奨していません。
部分修理
部分修理はその名の通り、劣化や損傷している部分だけ修理する方法のことです。漆喰の補修や雨樋の交換、瓦の一部葺き替えなど、小規模の工事を指します。修理範囲を限定化すると、工期が短くなって費用も抑えられるのが利点です。
ただし、修理内容によっては足場を設置する場合があります。部分修理自体は数万程度ですが、足場を設置するとなると数十万かかることも少なくありません。部分修理が可能かどうかは業者によるため、見積もり時に聞いてみましょう。
瓦屋根の修理は自分でできる?
瓦屋根の修理を自分で行うのはおすすめできません。瓦屋根の損傷が小さく修理費用を抑えたいという理由から、DIYで修理しようと考える方も多いでしょう。しかし、瓦屋根をはじめ屋根修理は高所作業を伴うため、転落する恐れがあります。
特にDIYの場合ははしごを使っての修理になるため、足元が非常に不安定でバランスを崩すでしょう。高所作業が危険なのはもちろん、不注意で瓦屋根を傷つけたり修理が不十分だったりする可能性もあります。かえって修理費用がかさむだけなので、最初から屋根修理業者に依頼するようにしましょう。
瓦屋根の修理を依頼する業者の選び方
瓦屋根の修理はどこに依頼すれば安心なのでしょうか。ここでは、瓦屋根修理の依頼先の選び方について解説します。
専門業者に依頼する
瓦屋根の修理は専門業者に依頼しましょう。瓦屋根にとどまらず、屋根修理はさまざまなリフォーム会社が対応しています。しかし、結局工事を請け負うのは下請けのケースがほとんどです。そのため、経験が浅い業者が担当する可能性もあるため、工事日まで安心できない可能性があります。
屋根修理に特化した業者は、「板金工事業」「(瓦)屋根工事業」「塗装工事業」です。修理内容に応じて適切な業者に依頼できれば、満足のいく仕上がりになるでしょう。
少なくとも、トイレやキッチン、内装などをまとめてリフォームする業者は屋根工事の専門業者ではないと考えられます。
資格を有する業者に依頼する
瓦屋根の修理は、屋根工事に関する資格を有する業者に依頼するのがおすすめです。屋根修理は、特別な資格がなくても営業や施工ができるため、経験が浅い業者が数多く存在します。一見良さそうに見えても、施工実績や専門的な知識と技術に欠ける部分があるかもしれません。最初から資格を有する業者に依頼すれば安心感を得られます。
また、建設業の許可の有無もチェックポイントです。建設業の許可は本来、工事費用が500万円以上を超える工事を請け負う際に必要なものですが、取得には厳しい条件をクリアしなければなりません。取得には国土交通大臣もしくは知事からの認可を受ける必要があります。
アフターサービスが充実している業者を選ぶ
アフターサービスが充実している業者を選ぶと、修理後も安心して相談できます。瓦屋根の修理を無事に終えても、場合によっては施工不良が見つかる場合も少なくありません。もしアフターサービスが不十分であれば、修理後の不具合は自己負担になる恐れがあります。アフターサービスが充実している業者を選ぶのは、自分への保険にもなります。特に保証期間が長く無償の定期メンテナンスを実施している業者は、信頼できるでしょう。
アフターサービスの内容は、業者のホームページから確認できます。口頭による保証内容は鵜呑みにせず、証拠が残る書面がもらえる業者に瓦屋根の修理を依頼しましょう。
瓦屋根の修理は経験豊富な業者にお任せ
瓦屋根は日本を代表するデザインの一つです。風情のある瓦屋根を気に入っている方は、できる限り長く使い続けたいと思うでしょう。瓦屋根を少しでも長持ちさせるためには、修理タイミングを見逃さず、そのときの状態に適した修理を行う必要があります。瓦屋根の修理に対応できる業者は現在も多く存在するため、信頼できる業者を見つけて修理しましょう。
屋根修理を検討している方は、群馬県でNo.1の施工実績を誇る「ミヤケン」にご依頼ください。創業以来、2,482棟以上の屋根工事に携わりました。確かな技術と最長12年間のアフターフォローを強みとしておりますので、まずは無料で屋根点検を受けてみてください。