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屋根の修理にはどんな種類がある?屋根材ごとの費用も解説

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屋根の修理にはどんな種類がある?屋根材ごとの費用も解説

屋根の修理にはどんな種類がある?屋根材ごとの費用も解説 |

屋根の故障は、何か問題になってからでないと真剣にならないこともあります。ただし、大きな被害が出る前に軽い劣化でも見つけたら、早めの対応をおすすめします。屋根の劣化は建物にまで影響するため、自宅のメンテナンスのために正しく修理を行いましょう。
本記事では、屋根の修理の種類、屋根材ごとの特徴と修理費用、修理依頼できる業者と注意点について解説します。

屋根修理の種類

屋根修理の種類は、屋根材の特徴や劣化の状況によって対応が変わってきます。各工事のメリットとデメリットを押さえて、屋根の状態に合わせて施工方法について確認していきましょう。

種類①葺き替え工事

屋根材を解体し、屋根全体を取り替える大規模な工事です。劣化の状態によっては下地から交換する場合もあります。使用年数が長い屋根や、自然災害の影響で劣化しやすくなっている屋根、メンテナンスが行き届いていない屋根などが、葺き替え工事をするケースになります。
葺き替え工事は使用する屋根材によって費用や工期が異なります。例えば、土葺き屋根やアスベスト含有の屋根であると費用が大きく変わってきます。
トタン屋根など金属系屋根の場合は処分費用がかからず、費用は安く済みます。

また、葺き替え工事は、大規模工事となるため、騒音やホコリ、振動などの危害について周辺への配慮が必要です。

メリット

デメリット

長期的に屋根の品質を保持ができる

屋根全体を修理するので費用が高い

屋根の耐久性が高くなる

修理の範囲が広いので工期が長い

種類②葺き直し工事

古い瓦屋根を再利用して下地と防水シートを取り替える工事です。既存の屋根瓦を使用するため、葺き替え工事よりも費用が安くできます。屋根瓦の耐用年数は50年以上なので、新しく屋根材を購入する必要はなく、そのまま再利用することができます。劣化している屋根瓦は部分的に新しいものに取り替えて施工を行います。

地震被害で瓦屋根が崩れた場合、瓦が割れていなければ葺き直し工事で対応することができます。
一方、瓦屋根からガルバリウム鋼板にリフォームするケースも多く、これは葺き替え工事と言い、既存の瓦を廃棄するので処分費用がかかります。

メリット

デメリット

長期的に屋根の品質を保持ができる

屋根全体を修理するので費用が高い

屋根の耐久性が高くなる

修理の範囲が広いので工期が長い

種類③カバー工法

既存の屋根の上に新しい屋根材を被せる工事です。カバー工法は、塗装だけでは耐久性を維持できない場合や、葺き替え工事をするほど大規模な修繕は必要ない場合に適している工法です。
屋根材を解体しないので工期が短く費用も安く済みます。ただし、屋根の下地や防水シートが劣化している場合は、他の施工方法になります。また、屋根材が二重になるので建物にかかる荷重が大きくなって耐震性の問題が発生する場合もあります。

メリット

デメリット

長期的に屋根の品質を保持ができる

屋根全体を修理するので費用が高い

屋根の耐久性が高くなる

修理の範囲が広いので工期が長い

種類④塗装工事

屋根材の表面を塗装して耐久性や美観性を向上させる工事です。大規模に屋根材を取り替える必要がなく、施工期間も短く済みます。屋根材は長く使用していると劣化してくるため、
塗装することで雨風、紫外線、サビの発生を防ぐ効果があります。塗装の種類によって遮熱効果もあります。

屋根塗装は外壁塗装と一緒に依頼するケースも多く、外観のダメージを払拭して美観性を良くすることができます。ただし、外壁と屋根の塗装は工法が異なるため、専門の業者に依頼することが必要です。

メリット

デメリット

長期的に屋根の品質を保持ができる

屋根全体を修理するので費用が高い

屋根の耐久性が高くなる

修理の範囲が広いので工期が長い

種類⑤屋根材の修繕工事

屋根材の劣化部分だけを修繕する工事です。例えば、台風などで屋根の一部が損傷したりした場合に、壊れた部分だけを修理することができます。部分的な補修をすることで屋根の寿命を維持することができるようになります。

メリット

デメリット

長期的に屋根の品質を保持ができる

屋根全体を修理するので費用が高い

屋根の耐久性が高くなる

修理の範囲が広いので工期が長い

種類⑥漆喰工事

屋根瓦を接合している部分に漆喰を塗り込む工事です。瓦工事で漆喰を使う場所は、主に「棟」と呼ばれる所で、瓦のズレや雨風による劣化を防ぐために、耐久年に合わせてメンテナンスを行います。漆喰の寿命は、およそ15〜20年くらいです。

屋根瓦は、半永久的に使える寿命の長い屋根材ですが、漆喰は劣化するとひび割れてきます。放置しておくと、屋根瓦の耐久性に影響するため、劣化に応じてメンテナンスが必要になります。
漆喰の劣化の原因は、紫外線や雨風、低温度などによるもので、気候が厳しい地域では特に劣化しやすくなります。

メリット

デメリット

長期的に屋根の品質を保持ができる

屋根全体を修理するので費用が高い

屋根の耐久性が高くなる

修理の範囲が広いので工期が長い

種類⑦棟板金交換工事

屋根の頂上部分にある棟板金を交換する工事です。棟板金は、屋根材の隙間を被って雨水の侵入を防ぎ屋根を固定する役割があります。しかし、強風や大雨などで棟板金が剥がれてしまうこともあります。棟板金交換工事では、棟板金を交換して新しい釘でしっかり固定して屋根材のズレを改善します。

メリット

デメリット

長期的に屋根の品質を保持ができる

屋根全体を修理するので費用が高い

屋根の耐久性が高くなる

修理の範囲が広いので工期が長い

種類⑧雨樋工事

雨樋の不具合を修繕する工事です。雨樋は、長く使用していると落ち葉にゴミが溜まったり、強風により変形したりして雨水が流れにくくなるケースがあります。
雨水が自然に地面に流れていかないと、外壁にカビや藻が発生しやすく建物の寿命を早める原因になります。雨樋の交換は、およそ10年から15年のタイミングで行うのが目安です。

また、雨樋工事は、DIYが得意な人は自分で工事をしようとする方もいらっしゃいますが、
手の届かない2階部分や、周りに障害物がある場合には、高所作業で危険を伴うため、専門業者に依頼して安全に修理を行うようにしましょう。

メリット

デメリット

雨漏りが解消する

部分的な場合は割高になる

建物の耐久性を維持できる

2階以上は足場代もかかる

屋根材ごとの修理費用について

屋根材は、各材質の特徴によって耐用年数が設定されています。一番、長いもので粘土瓦、短いものでトタン屋根になります。長く使用できるものは費用も高額になり、耐用年数が短いものは比較的安くなっています。

屋根材の特徴は、居住地の地域性や気候などによって大きく影響するため、予算に合わせて耐用年数も一緒に比較検討するようにしましょう。

屋根材の種類

費用相場

耐用年数

粘土瓦

1㎡あたり9000円~12000円

50~70年

セメント・コンクリート瓦

1㎡あたり6000円~8000円

30年

スレート

1㎡あたり4500円~10000円

20~25年

ガルバリウム鋼板

1㎡あたり6000円~9000円

30年

ジンカリウム鋼板

1㎡あたり8,500~15,000円

30~50年

トタン

1㎡あたり5000円~6000円

10~20年

アスファルトシングル

1㎡あたり5000円~6000円

20~30年

粘土瓦

屋根瓦は、漆喰のメンテナンス以外には、ほぼ補修費用がかからない傾向です。耐用年数が50年以上なので、大きな自然災害等が起きなければ、費用負担が少ない屋根材です。
ただし、屋根材の中では、重量があるので耐震性が低く、地震による被害で修繕費用が発生する可能性はあります。
また、部分的でも修繕が必要な場合は、他の屋根材よりも高額になります。

セメント・コンクリート瓦

セメント、コンクリートを使って成形した瓦で、粘土瓦の半分の費用で済みます。陶器製の屋根瓦と同じようなフォルムなので、伝統的な瓦屋根にしたい場合に、見た目が同じで安く済む屋根材です。
ただし、セメントは水分を吸収しやすいため耐久性が低く、陶器製の屋根瓦よりも耐用年数は短くなります。また、年月が経つと表面が色あせて塗膜コーティングが劣化するため、塗装工事が必要になります。

スレート

平たい形状をした屋根材で、セメントでつくられた「化粧スレート」や、岩石を薄い板状にした「天然スレート」などがあります。また、工場などに使用されている波型の屋根材を波状スレートと言います。

スレート屋根は、比較的安くて軽くて耐震性が高い特徴がありますが、耐久性を維持するには定期的なメンテナンスが必要になります。したがって、10年くらいを目安に塗装工事、20年くらいにカバー工法または葺き替え工事が必要になります。

ガルバリウム鋼板

鋼板にアルミニウム、亜鉛、シリコンで加工した屋根材で、カバー工法に良く採用される材料です。屋根材の表面が雨に流れやすい形状になっていて防水性が高くなっています。

また、同じ金属系のトタンに比べると、錆びにくくメンテナンスしやすい特徴があり、価格もトタンより高めですが耐用年数は長くなります。

ジンカリウム鋼板

金属系の屋根材で、耐久性や耐震性に優れておりメンテナンスもしやすい特徴があります。
材質は、ガルバリウム鋼板とほぼ同じですが、ジンカリウム銅板は、表面に自然石が付着しているのが特徴です。
表面の自然石によって、ガルバリウム鋼板よりも耐久性、遮音性、断熱性効果に優れています。
耐用年数は、他の屋根材と比較して最も長く、価格も高めです。ただし、正しくメンテナンスを行うことで、屋根瓦と同じくらい長期的に使用できる屋根材です。

トタン

亜鉛をメッキ加工した金属系の屋根材で、古くから広く使用されており、現代は一般住宅の屋根よりも工場や倉庫の屋根として需要があります。トタンは軽く加工しやすいため、
施工費用が安く済みます。ただし、錆びやすいのでメンテナンスに手間がかかる材質です。
最近では、同じ金属系の屋根材で、錆にくいガルバリウム鋼板を、リフォーム時にトタンから差し替えるケースも多いです。

アスファルトシングル

ガラス繊維にアスファルトを浸みこませて表面に石粒を吹き付けて着色した屋根材です。
屋根材の特徴は、表面の石粒が落ちやすく、強風に弱いため定期的なメンテナンスが必要です。アメリカやカナダでは良く使用されている屋根材で、耐久性が高くデザイン性も豊富で日本でも採用している建物もあります。ただし、日本ではまだ施工できる会社が限られているため、業者選びは難しくなります。

屋根を修理しないと起こる被害

屋根材は種類によって耐用年数が異なり、さらに、修理やメンテナンスを怠るとさまざまな問題が発生して、寿命よりも短く劣化してしまうこともあります。

では、屋根材を修理しないと怒る被害を確認し、正しく修理依頼できるようにしましょう。

雨漏りが起こる

屋根材の修理を放置しておくと、錆やカビが繁殖して穴が空き、雨風で屋根材の留め金具が緩んで隙間ができて雨漏りしやすくなります。雨漏りが続くと屋根だけでなく建物全体の劣化に影響し、外壁の汚れから内部構造まで腐らせる原因になります。

建物の木部が湿ってくるとシロアリが繁殖して雨漏りだけでは済まない大きなダメージを受けてしまいます。
さらに、屋根や建物の腐食は、カビやダニが発生して居住者の健康被害にも影響します。

外観の見栄えが悪くなる

屋根のメンテナンスは、材質の耐久性を高める効果と、もうひとつは、見た目の美観性を整える効果があります。屋根材は、年月が経つと色あせたり、塗膜コーティングが剥がれたり、雨風で汚れが付着して汚くなってきます。

したがって、外観の見栄えを良くするためには、定期的に塗装工事が必要です。また、塗装の種類によって耐用年数が異なり、フッ素塗料で15~20程度、シリコン塗料で10~13年程度、アクリル塗料で5~7年程度が目安です。

破損した屋根材が落下する

屋根材の劣化は、屋根自体の問題の他に、周辺住民にも危害を与えるリスクがあります。
劣化している屋根は、不安定な状態であるため強風によって飛ばされてしまうこともあり、飛来物が人に危害を与えてしまった場合は、大きな代償を払わなければならなくなります。

まだ大丈夫と自己判断することは、大変危険な状態を招く要因となるため、軽い不具合でも早めに応急措置をして、築年数の長い建物の場合は、屋根材の葺き替え工事について検討することが必要です。

台風で屋根が吹き飛ぶ

屋根材の留め金具は、台風や強風によって徐々に緩むケースもあります。棟板金の釘の浮きや抜けによって、台風で屋根材が飛んでしまった事例も少なくありません。また、漆喰が崩れていて瓦屋根が台風によって落下するケースもあります。

屋根材は、材質による耐久年数に合わせて定期メンテナンスを行い、おおよそ30年に1度、屋根の修理をすることで屋根の耐久性と安全性を確保することができます。

屋根修理を依頼できる業者

では、屋根の修理をしたい場合に、どのような業者に依頼すればよいのか確認しておきましょう。

瓦業者

屋根材として古くから使用されている陶器瓦を扱う業者です。葺き替え工事、葺き直し工事を行っています。また、漆喰工事や割れた瓦を差し替える工事など、瓦屋根の寿命を維持するためのメンテナンスも行います。
瓦屋根の耐久性は高いことで知られていますが、台風によるリスクを抑えるために、2020年に瓦の固定に付いてのガイドラインが義務化され、台風性能がさらに強化されています。

ハウスメーカー

家を建てたハウスメーカーに屋根の修理依頼をすることも可能です。建物や屋根の構造について熟知しているため相談しやすいメリットがあります。また、ハウスメーカーの保証内容に屋根修理も含まれている場合は、安くできることもあります。
ただし、ハウスメーカーの場合は、修理業者を下請けに依頼しているケースが多いため、その分、修繕費用は高めに設定されます。

板金業者

トタン、ガルバリウム鋼板などの金属系の屋根材の場合は、板金業者に修理依頼できます。板金業者の業務は、屋根工事だけでなく、板金を扱う電気、ガラス、防水、塗装、鉄筋などさまざまな工事を請け負っています。また、雨樋修理・交換なども板金業者の専門です。

塗装業者

屋根修理の範囲が、屋根材の解体や下地処理まで必要なく、屋根の表面の塗装のみで良い場合は、塗装業者に依頼できます。
屋根塗装は、一般的に10年が目安となっていてさらに30年を目安にカバー工法や葺き替えが推奨されています。
塗装の効果によって屋根の耐久性が向上するため、優良な業者を選んで、屋根の品質と美観を維持していきましょう。

屋根修理の専門業者

屋根の修理に特化した専門業者であれば、経験も豊富で信頼できるメリットがあります。
実際に依頼する際は、ホームページを参考に、今までの事例や実績を確認して、見積りしてから検討すると良いでしょう。

外壁の塗装会社が紹介する屋根修理に注意!

同じ塗装でも、屋根塗装と外壁塗装は別物です。もし外壁塗装で評判の良い業者でも屋根塗装になると、専門分野外でトラブルが起きるケースもあります。
特に、スレート屋根や コンクリート瓦屋根の塗装の場合にトラブルになることが多くなっています。
スレート屋根の塗装は、雨水の流れを良くするために縁切り工法を採用するようになっていますが、専門分野外の職人が施した場合に、施工不良で雨水の排出ができなくて下地が劣化しやすい状態になるという事例もあります。

また、セメント瓦とコンクリート瓦は塗装の方法が異なり、同じように塗ってしまうと塗料定着が悪くやり直しが生じる原因になっています。
このように、屋根業者といってもさまざまな専門分野がありますので、自宅の屋根材に適した業者を選ぶように注意しましょう。

屋根修理は自宅の屋根材に合う修理業者に依頼しましょう。

屋根の修理は、屋根材の種類と耐久年数を確認し、修理内容に合わせて適切な業者に依頼しましょう。屋根の修理をそのまま放置しておくと、屋根の劣化だけでなく建物の寿命や周辺への被害リスクも高くなります。
屋根の不具合を見つけたら早めに良い業者に相談して対応してもらいましょう。

ミヤケンは、屋根工事・リフォームをお考えのお客様に安全・安心のサービスを提供しています。災害等による屋根の修理についてもお気軽にご相談ください。

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