テラスで使用されるポリカーボネイトも種類があります
2019.09.12 その他
テラスやカーポートの設置を考えている場合、屋根材の選び方で迷う人も多いでしょう。
あるいは、屋根の貼り替えを検討している場合も、現在の主流となっている屋根材は何かが気になるものです。
幅広い用途で使用されるポリカーボネイトには、これまでの屋根材にはなかった様々な特性を持っています。
今回はポリカーボネイトの特徴を他の屋根材と比較しつつ、種類についてもご紹介しましょう。
◆これまでの屋根材と比較
テラスやカーポートなどの屋根材では、現在の主流はポリカーボネイトです。
素材的な特性がこれまでの部材とは違って屋根材に適しているために、アクリル板や塩化ビニール板よりも選ばれるようになりました。
アクリル板や塩化ビニール板とはどのような違いがあるのでしょうか?
テラスやカーポートなどの屋根材は、ポリカーボネイトが多く使われるようになる前はアクリル板を使うことが一般的でした。
強度はガラスの約200倍で、加工性も高い素材です。
しかし、耐衝撃性はポリカーボネイトの方がアクリルの約20~30倍であり、耐久性についてもポリカーボネイトの方が高い数値です。
また、アクリルには紫外線に弱いという特性があり、強度低下を招く原因にもつながっています。
アクリル部材が割れてしまって貼り替えたい場合など、ポリカーボネイトの屋根材に替えるケースが増えているのも、耐久性のことを考えた結果だと言えるでしょう。
いわゆる塩ビと呼ばれる素材で、昔は波板といえば塩ビが使われていました。
ホームセンターでも簡単に手に入り、DIYでの施工もしやすい部材です。
波板部材で多く使われてきた塩ビですが、現在はポリカーボネイトへシフトチェンジされてきています。
塩ビは熱に弱く、変色が変形が起こり、長く使用すると割れやすいという特性があります。
約3年という短期間で劣化してしまうため、より耐久性があるポリカーボネイトに軍配が上がっています。
◆ポリカーボネイトの特性と屋根材に適している理由
ポリカーボネイトは熱や衝撃に強い透明な樹脂で、様々な場所に活用されています。
なぜ屋根材としてポリカーボネイトが選ばれているのか、その理由についてもご紹介していきましょう。
ポリカーボネイトは耐久性があり、雨風に曝される屋根材に適しています。
大切な住宅やカーポートなどに使う屋根は耐久性があり、割れにくいことが求められます。
長い目で見て、耐久性がある点が屋根材としてメリットとなります。
デザイン性を大切にしたい場合や、屋根の下の明るさを確保したい場合、透明なポリカーボネイトの屋根が有効です。
変色しにくいタイプを選べばより長く使用できます。
農業で使用するハウスなども含め、屋根の採光性を求める場合にもポリカーボネイトが選ばれています。
カーポートの屋根を考える場合は、愛車の日焼け対策も重要です。
紫外線による塗装の色あせなどを防ぎたい場合は、紫外線をカットするタイプのポリカーボネイトが有効です。
また、屋根の下が急激な温度変化にならないように、熱線をカットあるいは吸収するタイプのポリカーボネイト屋根もあります。
屋根材は安全性も大切です。
ポリカーボネイトは自己消火性が高い部材で、火元がなくなれば自ら消火し延焼を防ぎます。
万が一の火災の場合に、屋根の下にあるものを火事から守ることが期待できます。
DIYで屋根材を加工したい場合は、施工性が気になる部分です。
ポリカーボネイトは軽量で、特殊工具がなくても加工できます。
手軽に運べる軽さ、手持ちの工具で加工できる利便性など施工しやすい点で屋根材に適しています。
◆ポリカーボネイトの種類と特徴
ポリカーボネイトには様々な種類があります。
カーポートやテラス、物置などの屋根材として、また温室などにも幅広くポリカーボネイトが使われています。
ポリカーボネイトの種類と特徴を見ていきましょう。
・平版
平面の板状で厚さは2~15mmです。
屋内用と屋外用、傷対策タイプなどがあります。
ドア採光や階段の腰板、窓や間仕切りなどの用途にも使用します。
屋根材としてはテラスやガレージの屋根などに使われ、割れに強く安心です。
・断熱中空板
構造が中空になっている超軽量な板で、優れた断熱効果・保温効果を発揮します。
より強度を増したタイプや保温能力が高いタイプなどがあります。
温室の窓や屋根、テラス屋根に使用されます。
室内インテリア用のカラフルなタイプもあります。
・型模様板
模様ガラスのような凹凸がついたタイプです。
かすみ模様、プリズム模様など様々な模様の商品があります。
光の広がることで視線をカットできるため、室内の間仕切りや室内ドアなどに使われます。
・熱線吸収ポリカーボネイト
太陽光の熱線を吸収するタイプで、通常のポリカーボネイトと比較して熱線を約10%カットできます。
・熱線遮断ポリカーボネイト
太陽光の熱線を遮断するタイプで、吸収系と同様に通常のポリカーボネイトと比較して熱線を約10%カットできます。
夏涼しく冬温かい快適な室内環境を実現でき、省エネが可能です。
中空板に熱線を遮断する機能を加え、熱線を遮りながら可視光線は通して採光ができるタイプもあります。
カーポートの屋根など、温度を上げたくない場所に適しています。
ポリカーボネイト屋根材を選ぶ際には、使用目的に合わせたタイプの部材かどうかを見極めましょう。
屋根材で迷った時は、ぜひポリカーボネイトも選択肢に加えて検討してみてください。