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屋根の形状はさまざまあります |株式会社ミヤケン|1 ページ目

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屋根の形状はさまざまあります

雨・風・日光などあらゆる自然環境を一番に受け、大切な家を外から守ってくれている屋根。
建物の種類や気候などによって適した形状で作られることが一般的ですが、
さまざまな技術の進歩により、素材も豊富なうえデザイン性も兼ねた屋根も増えました。

また、屋根の存在が外観に大きく影響することもあり、
デザイン性を重視しがちではありますが、あらゆることを考慮し想定しておかなければなりません。
お家を建てられた方なら、ご経験はあるかと思いますが、
豊富な種類の中からたった一つを選ぶのはとても大変なことです。
ぜひ、知識の一つとして読み進めてもらえればいいかと思います。

 

切妻屋根

三角屋根とも呼ばれる日本で最も代表的な屋根です。
屋根の最上部(大棟)から左右に2つの傾斜面のある屋根の事です。
「妻」は「端(つま)」の意味で、屋根の妻(端)を切った形という語源からきています。
一般的に皆さんが良く目にするお家の屋根ですね。

寄棟屋根

屋根の最上部(大棟)から4方向に下がっていく棟(下がり棟・隅棟)を境に、4つの傾斜面のある屋根の事です。
屋根面を寄せるように立体的な形をしています。
棟が切妻屋根より短くなっているのが特徴で、切妻に次いで多い屋根の形です。

入母屋(いりもや)屋根

古くから日本にもある伝統的な形の屋根で、瓦作りの屋根に多く見られます。
「上部切妻」「下部寄棟」と2つの屋根の特徴を組み合わせた屋根の事をいいます。
切妻と寄棟はひとつづきになっており、棟の数が多いもの特徴です。

方形(ほうぎょう)屋根

一つの頂点から同じ角度で4方向へ、4つの傾斜面のある屋根の事です。
簡単に言えば、寄棟屋根の大棟がなく屋根でピラミッドのような形をした屋根です。
一つ頂点に対して4つの三角形の屋根を寄せたものなので、寄棟の一種とされており、屋根の下の建物は正方形に近い形になります。

片流れ屋根

切妻屋根の棟を境に半分にしたような形をしており、大棟から1方向に傾斜面のある屋根の事です。
近年流行のデザイン性の高い屋根のひとつで、新築住宅新築住宅では多く見ることができます。

陸(ろく・りく)屋根・平屋根・屋上屋根・フラット屋根

ビルやマンションなどで目にする、傾斜のない水平の屋根の事です。
最近では、一般の住宅でも見かけることが多くなってきました。
一般的には陸屋根を有する建物の上の平面を屋上と呼んでいます。
「平屋根」「屋上屋根」「フラット屋根」とも呼ばれています。

 

はかま腰屋根・隅切り屋根・半切妻屋根・ドイツ屋根

切妻屋根の妻側(棟に対して直角な側面)の屋根の上部に少し切り取り、寄棟屋根のように屋根面を設けた屋根の事です。
道路斜線や日陰制限などの法的制約により、このような形を取り入れ制限内に収まるようにします。
袴をはいたときの姿と似ていることから
「はかま腰屋根」と言われていますが、他にも「隅切り屋根」「半切妻屋根」「ドイツ屋根」とも呼ばれています。

 

越屋根

屋根の上に採光や風通し、煙抜きの目的で、さらに小さな屋根組を設置した屋根の事です。
小さな屋根組の外壁面には、窓が取り付けられていることが多く、切妻屋根の中央部を一段持ち上げたような形をしています。

 

錣(しろこ)屋根

錣(しろこ)とは、兜や頭巾の首筋を覆うように垂れ下がった部分の事を指しており、
切妻屋根の下部4方向に庇屋根を取付け二段に葺かれている屋根の事です。
上部の勾配に比べ、下部の勾配の方が緩やかであることが特徴です。
上部が切妻であると解釈されることがあるが、東大寺念仏堂のように寄棟屋根が用いられていることもあります。
上部に切妻を用いた場合は、入母屋(いりもや)屋根と同じような外観となります。

乗り越し屋根

一方の屋根の棟が、もう一方の屋根の棟の上を交差して乗り越して作られた屋根の事です。
一般的には、上の棟と下の棟が交差する場合が多く、棟が交差しない場合は、T字屋根と言います。

差しかけ屋根・招き(まねき)屋根

切妻屋根を段違いにずらした屋根の事です。
差しかけ屋根の一種で、ずらした屋根の片方を長く伸ばし、もう片方は短くしたものが「招き(まねき)屋根」と呼ばれています。
短くした屋根の上部には外壁を作りますので、室内空間が広くなると人気の屋根の一つです。

腰折屋根・ギャンブレル屋根

切妻屋根の途中から急勾配を付けた将棋の駒のような形をした屋根の事です。
屋根の勾配は上部が緩やかに対して下部が急な2段になっています。
元々、ヨーロッパや北米の伝統的な屋根の一つであり、牛舎の2階に干し草を収納するためのスペースとして設計された屋根です。
「駒形切妻屋根」と呼ばれたり「腰折屋根」と訳されることもあります。

腰折屋根・マンサード屋根

寄棟屋根の途中から急勾配を付けた屋根の事です。
元々、17世紀にフランスの建築家フランソワ・マンサール氏により考案されてといわれており、小屋裏の空間を利用しやすくするよう設計された屋根です。
北海道地方では、家畜飼料用倉庫(サイト)に採用されています。
ギャンブレル屋根と混同されがちですが、マンサード屋根は腰折屋根で寄棟造りであることに対し、ギャンブレル屋根は腰折屋根で切妻造りであることが大きく違う点です。

バタフライ屋根・スノーダクト式無落雪屋根

蝶々が羽を広げた時のような形の屋根で、切妻屋根の端から中央に向かって低くなったV字型の屋根の事です。
北海道地方の無落雪屋根限定ですが、屋根の中心に設置したスノーダクトを利用し、
雪を溶して効率的に排水を行うことを目的とし設計されています。

M形屋根

文字通りM字型の屋根です。
北海道地方に多くみられる屋根のひとつで、スノーダクト方式を採用し、M字部分に溜まった雪をヒーターや生活排熱が溶かしスノーダクトに排出する目的として設計されています。

鋸(のこぎり)屋根

鋸の刃の形状に似た、片流れ屋根が連なった屋根の事です。
連なっている垂直の壁に窓や開口部を設けることで、均等に採光できるため工場などに多く採用されてます。

かまぼこ屋根・R(アール)屋根

かまぼこの形状の屋根の事です。
体育館などに多く見られる屋根です。

一言に「屋根」と言っても、昔ながらの屋根もあれば、文化遺産に使われている屋根や、
外国から伝わった屋根や生活環境などに適した形を採用したもの、
デザイン性の高いものから変わり種まで様々な形が存在します。

屋根について、少しでも「おもしろいな」とおもっていただけたら幸いです。

画像:Wikipediaより参照

 

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