地震保険の適用内容と申請方法について
2019.11.08 お役立ち情報
地震大国である日本では、常に地震への備えが意識されています。
では、大切な財産である家や家財に対しての備えである地震保険への加入は済んでいますか。
実は、地震保険への加入率は約30%程度と低水準のままです。
低水準な理由には、火災保険未加入世帯が増えていたり、空き家の増加だったり様々な要因がありますが、
地震保険に加入しているかどうか知らないという状況も多くあります。
今回は、必要だけどよくわからない地震保険の適用内容と申請方法についてご紹介します。
地震保険への加入方法は?
地震保険はそれ単体で加入することはできません。
必ず火災保険に加入した上で火災保険に追加する形で地震保険に加入することになります。
火災保険では、火災はもちろんのこと、自然災害である落雷や雹、台風による強風などによる損害も補償されます。
しかし、地震による損害だけは火災保険では補償されないので、
地震による損害を補償してもらうためには火災保険に地震保険を追加しなくてはならないのです。
なぜなら、地震保険は火災保険とは仕組みが異なるため、火災保険の補償金額に連動はしていますが、全く別個の保険だからです。
大規模な地震が起きた場合、保険会社のみでその甚大な損害を補償することができないため、地震保険は保険会社だけでなく国も一緒に運営しています。
保険会社が補償してくれる火災保険と、保険会社と国で補償してくれる地震保険、補償元が違うためそれぞれ加入する必要があるのです。
地震保険の補償金額は?
地震保険は火災保険に追加する形での加入になり、その補償内容も火災保険の補償内容を基準に支払われます。
火災保険では補償内容や建物の価値などで補償金額が設定されますが、
地震保険では主契約である火災保険で設定した補償内容の30〜50パーセントまでしか設定できません。
また、補償の上限額は建物が5000万円、家財は1000万円までと規定されています。
補償金額を決定する基準は全損、大半壊、小半壊、一部損の4段階に設定されています。
詳しい損害内容の規定や保険金の割合等は以下の表をご確認下さい。
建物の損害
家財の損害
保険金
全損
・基本構造部分の損害額が建物の時価額の50%以上
・火災や流失した部分が延べ床面積の70%以上
家財全体の時価額の80%以上
地震保険金額の100%
大半壊
・基本構造部分の損害額が建物の時価額の40%以上50%未満
・火災や流失した部分が延べ床面積の50%以上70%未満
家財全体の時価額の60%以上80%未満
地震保険金額の60%
小半壊
・基本構造部分の損害額が建物の時価額の20%以上40%未満
・火災や流失した部分が延べ床面積の20%以上50%未満
家財全体の時価額の30%以上60%未満
地震保険金額の30%
一部損
・基本構造部分の損害額が建物の時価額の3%以上20%未満
・床上浸水、または地盤面から45cmを超える浸水
家財全体の時価額の10%以上30%未満
地震保険金額の5%
知っておくべき地震保険の適用基準
地震で家や家財に損害が起きた場合は、地震保険でしか補償されないことはご存じかと思います。
では、地震が原因で火災が発生した場合の損害は火災保険のみでも補償されるのでしょうか。
地震保険は火災保険に付帯してのみ加入できるのですが、火災保険は地震が原因の火災の場合には適用されず、
地震保険のみが適用され、補償金額も地震保険のものに準じます。
稀なケースかもしれませんが、隣家など別の場所が地震により火災に見舞われて自宅に燃え移った場合でも、
元の火災は地震が原因なので地震保険が適用される火災になります。
火災による被害でも地震保険に加入していないと補償の対象にならないので注意が必要です。
地震保険での補償を除外されているものは?
地震で被害を受けていても、そもそも地震保険適用の対象から外れていて補償されないものがあります。
現金や有価証券などは地震が原因で破損、流出などの損害を受けていても補償されません。
また、1つまたは1組あたりの時価が30万円以上の貴金属類や骨董品類は、補償の対象から外れますので仮に数百万の価値があっても補償されません。
保険適用対象から外れているこれらのものは、できるだけ手元に置かずに銀行や貸金庫へ預けるようにすることで、被害を防ぎましょう。
地震保険の申請方法は?
地震保険では、申請は必ず本人が行うようにしましょう。
本人申請が前提の保険契約ですので、保険会社からの案内通りに手続きを行えばそれほど難しいものではありません。
申請の手順はおおまかに以下のように進みます。
1.まずは地震保険に加入している保険会社へ連絡
2.保険会社が現地の損害状況を確認する
3.正式な保険請求手続きを行う
地震保険の申請期限は3年以内ですが、時間が経てば経つほど被害状況を把握するのが難しくなるため、できる限り早めの申請を行いましょう。
まとめ
今回は地震保険の適用内容と申請方法についてご紹介しました。
地震保険の加入者本人による手続きが必要ですが、保険会社から案内がある通りに手続きをするので、そんなに難しいものではありません。
日本に住んでいる限り地震とは無縁ではいられませんから
万が一の被害のためにも地震保険の確認や加入の検討を行いましょう。