壊れた雨樋は自分で修理できる?劣化する原因も解説
2024.09.06 雨漏り関連
雨樋は、経年劣化や自然災害、メンテナンスの頻度などによって劣化しやすくなります。
雨樋のトラブルは、雨漏りや騒音、建物の腐食に繋がるため、早めの修繕が必要です。
壊れた雨樋は、自分でも修理できるのでは?と考える方もいらっしゃるでしょう。
本記事では、雨樋を自分で修理する際のポイント、劣化する原因などについて解説します。
雨樋とは?
雨樋とは、雨水を集めて地面や下水に流すための筒状の建材です。建物の内部に雨水が侵入すると腐食して劣化を進行させるため、雨樋を設置することで建物の寿命をできるだけ長く伸ばすことができます。
したがって、雨樋の不具合が生じた場合は、できるだけ早めに修理または交換して建物の外壁からの水の侵入を防ぐことが必要です。
雨樋修理が自分で可能な範囲
雨樋の修理は、破損状態によっては自分で対処できるケースもあります。状態がひどい場合は、専門業者に依頼するようにしましょう。
では、自分で修繕できる範囲について確認しましょう。
関連記事:雨樋の破損やゆがみの放置は危険!屋根との密接な関係性について
手が届く範囲の高さ
雨樋の修理が1階部分までは、手が届く範囲になりますが、2階部分の場合は、高所作業になりますので自分で行うことは控えましょう。
高所作業には、基本、足場が必要になります。作業範囲が狭い場合は、はしごをかけて修繕するケースもありますが、損傷の状態に合わせて足場が必要かどうか判断するようになります。とりあえず、はしごで済ませるなど安全確保を省略することは辞めましょう。
軽いひび割れや小さな穴
修理箇所が、軽いひび割れや小さな穴くらいであれば、自分で修理することもできます。
ただし、小さなひび割れも時間の経過とともに劣化が進行するため、損傷が少ない状態のうちに、専門業者に措置してもらった方が安心だということもあります。
一部の交換
雨樋の一部の部材の交換であれば、自分で行うことも可能です。ただし、部材が市販で手に入る塩化ビニールの場合に限ります。ガルバリウム鋼板や銅の場合は、自分で調達することが難しいため、専門業者に依頼するようになります。
部材の交換が必要な場合は、損傷した雨樋の材質について事前に確認しましょう。
雨樋を自分で修理する方法
雨樋を自分で修理する際は、破損状態が軽く、一部の交換で対処できることをチェックし、続いて修理する手順について確認しておきましょう。
軽いひび割れや穴の修理
塩化ビニール製の雨樋を修理する際は、軽いひび割れ程度の穴は、アルミテープを貼る、またはコーキング剤で補修できます。材料は、ホームセンターで購入できます。
あくまでも、応急措置となりますので、続けて本格的な修理が必要になります。
※アルミテープ補修の手順
- 雑巾でテープを貼る表面の汚れを拭き取る
- アルミテープを貼って穴を塞ぐ
※コーキング剤で補修する手順
- ひび割れの周辺にマスキングテープを貼る
- コーキング剤で充填する
- コーキング剤をヘラでならしてひび割れを埋める
- 乾いたらマスキングテープを剥がす
接続部分のゆるみの修理
雨樋の接続部分がゆるんで雨水漏れする場合は、接着剤を使用して補修できます。接続部分をはずして戻す場合は、雨樋の方向を確認して正しく接合しましょう。部材の口が広くなっている方が上向きです。
使用する材料は、塩化ビニール製の雨樋専用の接着剤を用意しましょう。
※接着剤で補修する手順
- 縦樋を固定している金具を外す
- 緩んでいる縦継手の部分を外す
- 接着面は汚れをふき取って乾かす
- 接着剤を塗る
- 縦継手をはめ戻す
- 金具をつけて固定する
- 接着剤を乾燥させる
一部分の交換
塩化ビニール製の部材交換は、ホームセンターで材料を購入できます。取り替え用の新しい縦樋と接着剤と金切ノコギリを準備します。
※一部分の交換の手順
- 縦樋を固定している金具を外す
- 破損箇所を縦継手部分から外して抜き取る
- 縦樋をサイズに合わせて金切ノコギリで切る
- 接着面に専用の接着剤を塗る
- 新しい縦樋をはめる
- 金具をつけて固定する
- 接着剤を乾燥させる
雨樋の交換が必要な時の修理方法
雨樋の交換をする際は、足場を設置してから、以下の手順で雨樋修理を行います。
①足場を設置する
雨樋の交換には、足場が必要な場合と不要な場合があります。
雨樋の修繕箇所が、建物の1階または2階で変わってきます。ただし、作業する際に安全を確保できない場合は、1階部分であっても足場を設置することもあります。
- 足場が必要:2階部分以上の雨樋を交換する。施工部分が5m以上の場合
- 足場が不要:1階部分の雨樋の交換をする。はしごや脚立などで作業ができる
②既存軒樋や縦樋、樋吊り金具を撤去する
軒樋→縦樋→樋吊り金具の順に撤去していきます。樋吊り金具を外してから、コーキング剤で充填し雨漏れの穴を塞ぎ止水作業を行います。撤去した雨樋の廃材は、市区町村ごとの廃材の回収方法に従って処分します。
③軒樋の金具を取り付ける
屋根の軒先に横向きに設置されている軒樋をはめ込むために、金具を取り付けます。
雨水の流れを考慮して高い位置から低い位置へと流れるように縦樋の落とし口に向かって、傾斜をつけて設置します。
④軒樋を取り付ける
軒樋の金具を取り付けたら、次に軒樋を取り付けます。軒樋と軒継手の間は、専用接着剤を使用して雨水漏れしないように固定します。
軒樋の縦樋と連結する位置に穴を開けて、集水器を取り付けます。
⑤縦樋と金具を取り付ける
軒樋が集水器に集めた雨水が地面に流れるように、縦樋と縦樋の金具を取り付けます。
縦樋用の金具を外壁に設置する際は、壁側が水上側となるように勾配を付けて取り付けます。
壊れた雨樋を自分で修理する際の注意点
雨樋を自分で修理する際の注意点について確認しましょう。初心者が行う場合は、まずは安全を確保できるかがポイントです。気軽に修理を行って事故に繋がることもありますので、慎重に行いましょう。
注意点①初心者が行うには難しい
雨樋の修理は、雨水の流れが良くなるような傾斜をつけたり、部材のつなぎ目に穴があかないように連結させたり、高所作業を安全に行う等、初心者が行う場合は注意する点がたくさんあります。
雨樋の修理は、専門知識と適切な作業手順、作業のコツが必要になるため、自分で行う場合は、簡易的な応急措置程度にして、専門のプロに相談した方が安心です。
注意点②高所作業が伴うため危険
雨樋の修理は、高所作業になるため、安全性をしっかり確保してから行う必要があります。
初心者が慣れない修理を高所作業で行うと危険リスクが高くなります。
自分で対処する際は、事前に安全管理を考慮して慎重に作業を行いましょう。
雨樋が劣化する3つの原因
ここでは、雨樋が劣化する原因について解説します。日頃から雨樋のメンテナンスをする際に役立つポイントを確認しましょう。
- 原因①落ち葉やゴミのつまり
- 原因②経年劣化
- 原因③自然災害
原因①落ち葉やゴミのつまり
雨樋に落ち葉やゴミが溜まっていると、雨水の流れを妨げます。そのまま放置しておくと、溜まった土から雑草が生えてきたりすることもあります。
余計なゴミが溜まっていると、雨樋に荷重がかかって部材の劣化を進行させてしまいます。
定期的に、雨樋をチェックして掃除をし、落ち葉よけシートなどを設置しておくと良いでしょう。
落ち葉除けシートは、凹凸または網状の筒状になったシートで、雨樋に設置することで外部からの枯れ葉やゴミの侵入を防ぎ、雨水の流れを通常通りに機能させることができます。
原因②経年劣化
雨樋は、直射日光による紫外線、雨、風、雪など環境による影響、1日の寒暖差による伸縮の繰り返しなどによって劣化しやすくなります。
雨樋の寿命は一般的に20年程度ですが、雨樋の設置場所や地域性、自然環境などによって、寿命が短くなってしまうケースもあります。
雨樋の劣化を放置しておくと、建物の劣化に大きく影響します、不具合に気が付いたら早めに修繕して劣化の進行を防ぐようにしましょう。
原因③自然災害
台風、積雪、強風などによって雨樋の状態を悪くしてしまうケースもあります。雨樋が変形したり、連結部分や金具がはずれたりすると、雨漏れの原因になります。
自然災害で雨樋がはずれ、飛散するケースもあります。
自然災害の多い地域は特に、定期点検を習慣づけて、金具やビスのゆるみや雨樋の変形などチェックするようにしましょう。
日頃の掃除が大切
日頃から雨樋の点検をして修理箇所をチェックするようにしましょう。雨樋の良い状態を維持するには、定期的なメンテナンスが大切です。
雨樋の点検は、以下のポイントをチェックしましょう。
- 日頃から雨樋の状態を点検して不具合を早めに見つける
- 雨樋に溜まったゴミや落ち葉を掃除する
- 落ち葉除けシートを設置する
- 雨樋の継ぎ目が外れていないか確認する
- 継ぎ目が、雨水の後で変色していないか確認する
- 雨樋が変形し、うねっていないか確認する
- 雨樋の受け金具の緩みをチェックする
雨樋の平均的な寿命
雨樋の耐用年数は、20年程度になります。なお、自然環境やメンテナンスや掃除の頻度などによって、劣化状態が異なるため、20年よりも早く修理や交換が必要になるケースもあります。
海岸周辺にある家や、日当たりが悪い家、積雪や台風が多い地域では、雨樋の寿命が短くなることもあります。
雨樋は専門業者に依頼して安全修理をお任せしましょう
雨樋の修理は、自分で修理もできますが、安全性や効率性を考えて専門業者に依頼して、しっかり修繕してもらうことをおすすめします。業者に任せることで、長期的に雨樋を保護することができて劣化の進行を防ぐこともできます。
業者に依頼する前に、応急措置として施す際は、注意点に気を付けて安全に作業を行いましょう。
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